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津市大門の「津観音」では200年の時を超え、「国府阿弥陀如来」の御朱印を復活させた。
津観音の正式名称は「恵日山観音寺大宝院」。浅草観音、大須観音と並び称される「日本三観音」で、昭和20年の戦火で消失する前は七つの塔頭と41棟の大伽藍を備えた大寺院だった。お伊勢参りが盛んだった江戸時代には「国府阿弥陀如来」が伊勢神宮の天照大神の本地仏(神仏習合における同一存在)として絶大な信仰を集めた。
今や大ブームの御朱印だが、元は寺に写経を納めた証。復活した御朱印の原本は、文政5年(1822)に書かれた六十六部納経帳(全国六十六国を代表する名刹に納経した証)。御朱印研究家の村上哲基さんが収集した資料の中で発見し、津観音住職の岩鶴密伝さんに連絡があった。しかし、津観音が御朱印を出していた記録が現在全く残っておらず、岩鶴さんは驚いた。その後、村上さんの協力も受け、当時の字体で御朱印を再現するに至った。
A6サイズの御朱印には、「天照皇大神宮御本佛 國府阿彌陀如來」と記され、歴代天皇の直願所であったことから菊紋も施されている。
岩鶴さんは「お伊勢参りで賑わっていた当時を感じて頂くきっかけになれば」と話す。
御朱印は500円で授与が受けられる。
2022年2月10日 AM 4:55