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津市が津市高茶屋市民センター南側の市有地に整備する幼保連携型認定こども園(以下「認定こども園」)の整備をめぐり、事業者から疑問の声が出ている。
津市は共働きなど保護者の保育ニーズの高まりを受け、待機児童ゼロに向けた保育定員の確保に取り組んできた。今回、整備する認定こども園は、定員の拡大が必要であると判断されたと同時に老朽化が進んでいる現在の高茶屋保育園と高茶屋幼稚園に代わる施設として計画。令和6年4月1日開所を予定する。津市が想定する運営方式は、民間事業者が同市有地約4千㎡を購入し施設を整備し、同民間事業者が運営する「民設民営」だ。
当初の利用定員は250名を想定していたが、のちに久居藤が丘町に定員90名の保育所が開所したことを受け179名に修正。さらに令和4年4月に高茶屋地区周辺の既存施設で定員が26名増えたことから最終的に155名に落ち着いた。津市は今年5月に同市有地を売却もしくは賃貸するための入札を行う。
津市は市内で保育園、認定こども園、幼稚園などを運営する社会福祉法人、学校法人31法人に対し、入札(売却・賃貸)意向調査を行った際、13法人が参加意向を示したとしている。
しかし、意向調査を出した法人(事業者)から少なくとも8法人からは参加意向はあるものの、費用が嵩む「民設民営」に疑問を示しているのも事実。関係者によると「用地取得に必要な費用は約7千万円と予想。これに園舎建設や施設整備を合わせれば、国と県の補助を受けたとしても2億円が必要」と話す。また、最低でも土地の無償貸与を求める声や、少子化の流れの中では155名でもいずれ過剰定員となる、という声もある。
全国的に見ても、市が用地確保と施設を建設し、民間事業者が運営を行う「公設民営」も多い。これが事業者の経済的負担が少なく、その分のコストを充実した保育・教育環境に充てられるとされているからだ。
民設民営の場合、行政の財政健全化を推し進めることができるメリットがある半面、相当額のコストを民間事業者が負うことになり、理想の保育・教育環境が実現できるかどうかが課題。
津市は、仮に入札で決定できなかった場合は市で公立の認定こども園を整備するとしている。
いずれしろ、施設を利用する保護者と児童のニーズを満たし、一日でも早く、安心・安全にあずけられ、最大の利益が得られることを第一に施設整備を進めていくことが肝要。結果に不利益があっては元も子もないのだから。
2022年4月28日 AM 4:56