2022年9月

岡田米山人《青緑山翠図》1819年

岡田米山人《青緑山翠図》1819年

三重県立美術館で9月23日(金・祝)から開館40周年記念企画展「岡田米山人と半江 展」が開かれる。会期は11月6日㈰まで。
江戸時代の大坂(現・大阪)に、ある米屋の親子がいた。父の名は岡田米山人(1744~1820)、子は岡田半江(1782~1846)。
父の米山人は、米屋でありながら書画のうまい変わり者として当時大坂で名の知られた存在だった。やがて津藩にその才能を認められ、父子二代にわたり津藩の大坂屋敷に勤めることとなる。父子ともに、商人あるいは役人として都会の喧騒に身をおきながら、心は自由であろうとし、友人知人とよく遊び、意のおもむくままに筆をはせて、画家として独自の境地を開いていく。今日、米山人と半江は、江戸時代後期の代表的な文人画家として評価されている一方、その作品を観覧できる機会は多くない。
今展では、米山人と半江の回顧展として、46年ぶりにまとめて公開する。

岡田半江《春靄起鴉図》1841年

岡田半江《春靄起鴉図》1841年

開館時間は9時半~17時(入館は16時半まで)。観覧料は一般1000円、学生800円、高校生以下は無料。休館日は毎週月曜(但し、10月10日は開館)、10月11日。問い合わせは☎059・227・2100。
本紙読者5組10名に招待券をプレゼント。希望の方は葉書(〒514の0028、津市東丸之内26の12、三重ふるさと新聞「美術館」係)・FAX(059・222・3331)・メールfurusato@ztv.ne.jpで、郵便番号・住所・氏名・年齢・連絡先を明記してお送りください。多数の場合は抽選。締切は9月29日必着。
尚、当選は券の発送をもって代えさせて頂きます。

戸籍謄本や住民票などを本人が気付かないところで不正に取得され悪用される事案が発生したことへの対策として、全国の自治体が導入している「本人通知制度」。県内でも人口の多い自治体を中心に導入されている。しかし、津市は制度に対する法的な整備がなされていないことなどを理由に導入には慎重な姿勢をみせているが、市民に不利益が生じないよう議論を進めていくべき課題だろう。

 

 

個人情報保護法の整備など個人のプライバシーに繋がる情報の取扱いが大きく制限されるようになっている中、戸籍謄本や住民票の取得や取り扱いも厳しく行われるようになっている。
弁護士・司法書士・税理士・行政書士・土地家屋調査士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士は本人の同意がなくても取得できるが、当然、職務上必要な場合に限られている。しかし、自分の知らないところで戸籍謄本や住民票など個人情報が第三者によって不正に取得され、不当な身辺調査などに悪用されてしまうケースが全国で後を絶たない。
それらの事例は不当な差別にも繋がる可能性もあるため、対策として全国の自治体が導入しているのが、第三者が戸籍謄本や住民票などを取得した場合に本人への知らせが届く「本人通知制度」。全国で導入する自治体は増えており、三重県の近隣では岐阜県、奈良県、京都府、和歌山県などで全市町村が導入。三重県内でも伊賀市を皮切りに四日市市、鈴鹿市、桑名市と人口が多い自治体が導入している。
一方、津市は導入しておらず、今期の津市議会の一般質問で藤田定彦議員から市民の個人情報を守るために導入すべきという声が上がった。
これに対し、津市は導入していない第一の理由として、制度は法による裏付けがなく、市町村がそれぞれの裁量で独自に行っているため、取り組みに差が生まれている点を挙げた。
分かり易い例を挙げると、第三者により戸籍謄本が取得された場合、事前に登録していた人だけに通知する自治体もあれば、本籍地と住民票がある全ての人を対象に通知する自治体の両方が存在している点だ。もう一つ制度開始に踏み切れない理由として、土地の取引や債権整理など法的に正当な理由で戸籍謄本などを取得する業務の妨げになる恐れがあることも挙げている。
また、令和5年度中に戸籍法を一部改正し、現在は本籍地でしか取得できない戸籍謄本を、最寄りの市区町村の窓口でも取得できるようになることも踏まえ、津市では国に対し、本人通知制度と同じ趣旨の取組みを全国共通のルールで行えるよう法整備を求めているが、未だ実現に至っていない。戸籍謄本が全国から取得されるようになれば、制度を実施している自治体とそうでない自治体の差がより大きくなる事態も予想される。
現状でも、本人通知制度を導入している自治体で不正取得の発覚に繋がったケースもあるため、制度の有効性は実証されている。今後、津市は他市の動向などを加味しながら検討を続けていくとしている。
もちろん、津市が望む形で早期に法整備がなされ、全国一律の対応が出来ることが最良だが、もし実現に至るまでに時間を要する場合、市民に不利益が生じる可能性は考慮すべきといえる。
いずれにせよ、最善の選択肢を探っていくべき課題であるのは間違いないと言える。

「かざはやさんちのはちみつ」をPRする湖畔の郷 風早の利用者

「かざはやさんちのはちみつ」をPRする湖畔の郷 風早の利用者

「かざはやさんちのはちみつ」

「かざはやさんちのはちみつ」

社会福祉法人『正寿会』=伊藤重之理事長=が運営する障害者の生活介護センター「湖畔の郷 風早」では、周囲の豊かな自然の中で採れたハチミツを「かざはやさんちのはちみつ」として商品化した。
このハチミツは、同じく正寿会が運営する伊勢温泉ゴルフクラブ内にある福祉と環境が融合した花園『かざはやの里』にニホンミツバチの巣箱を設置し、1年かけて集めたもの。20年以上趣味で養蜂をしている谷徹さんが指導している。蜜は花園に植えられたフジなど花だけでなく、かざはやの里の周囲に広がる豊かな自然の中のサクラやクリなど四季折々の花から集めたもの。数年前から試行錯誤を繰り返す中で、ミツバチの天敵であるスズメバチに巣箱を襲われるなどの苦難も経験したが、ようやく十分な収量が得られたため商品化にこぎつけた。
そのハチミツを瓶詰めにしたものが「かざはやさんちのはちみつ」。希少価値の高いニホンミツバチが様々な花から集めたハチミツは非加熱の純度100%。豊かな風味と上品な甘さが楽しめるのが特徴。同施設の利用者と職員が瓶詰め作業などを行っている。ラベルの可愛いミツバチのイラストは利用者が描いたものを採用した。
価格は150g入りで2200円(税込)。これまで、かざはやの里の花まつりなどで販売もしてきたが、購入した人たちから好評の声が届いているそう。
明日23日には、ぎゅーとらラブリー久居店=津市久居西鷹跡町=で数量限定で販売。正寿会が運営する他施設の雑貨品なども一緒に店頭販売する。ハチミツはそこで完売すれば今シーズンの分は終了する見込み。
来シーズンに向け、かざはやの里内に蜜が採れやすいレンゲを植えるなど、増産のための新たな取組みも行っている。
問い合わせは☎059・256・2600。

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