390年近い歴史を持つ津市の秋の恒例「津まつり」が今週末7日~9日に津市中心市街地を会場に開かれる。コロナ禍によって一昨年、昨年と中止を余儀なくされ、3年ぶりとなった今回は感染症対策を施した上での開催となるが、前夜祭を皮切りに、大パレード、郷土芸能など、市内の各会場の多彩な催しで大きな盛り上がりが予想される。

 

津まつりガイドブック_2022津まつりの起源を紐解くと、寛永9年(1633年)に津藩の2代藩主・藤堂高次が千歳山(津市垂水)にあった津八幡宮を現在の場所(津市八幡町)に移し、津の総鎮守とした。その3年後の寛永12年(1635)に藩費を貸し出して祭りを推奨したことが津まつりの起源とされている。かつての津まつりは津八幡宮の祭礼として、各町が山車や行列で市中を練り歩いた。時代に沿って少しずつ形を変えながら今に受け継がれている。
古くから伝わる伝統芸能としては、江戸時代の朝鮮通信使を模した「唐人踊り」を始め、「しゃご馬」「八幡獅子舞」「入江和歌囃子」などがあり、「津・高虎太鼓」や市町村合併前の様々な地域で行われていた郷土芸能、市内外から多くのチームが参加する「安濃津よさこい」と盛りだくさんの内容。受け継がれた伝統と創意工夫を凝らした新しさが融合した全国でも珍しいまつりとして知られる。
しかし、コロナ禍によって一昨年と昨年は中止という苦渋の決断を強いられた。主催する津まつり実行委員会などがしっかりと議論を重ねてきた今年は3年ぶりに開催する運びとなった。
「安心・安全な楽しい津まつり」を実現するため、重視しているのは新型コロナウイルス感染症の拡大防止。著名人の一日船長を迎えた和船山車「安濃津丸」も大パレードに出ないなど、例年と比べると内容をコンパクトにし、出演者やスタッフの健康状態のチェックなども行う。
来場者にもマスク着用や人と人との距離を取ることなどを呼びかけているほか、飲食物を販売する会場をお城西公園会場・観音公園会場・お城公園会場に限定している。
主な催しを紹介すると…10月7日17時45分~21時にはお城西公園の特設ステージで前夜祭を開催。翌8日7時半~9時半に行われる津八幡宮の祭礼でスタートし、郷土芸能団体が伊勢街道を練り歩く。お城西公園会場・津中央郵便局前会場・フェニックス会場・観音公園会場など6エリアで開催。夜には恒例の市民総踊りも行われる。
9日は9時半~の大パレードのほか、お城公園・津新町会場・津駅前会場などを加えた11エリアの会場で開催。夜には津郷土芸能連絡協議会による郷土芸能の集いの中で20周年特別演舞が披露されたり、安濃津よさこいのファイナルステージなどが行われる。(4面にも主な催しを掲載)
津まつり実行委員会の川北晃司会長は「コロナ下での開催は初めてとなるため、これからの祭りのあり方を発見していく。やってよかった、来てよかった、見てよかったという津まつりにしたい」と意気込みを語る。
久しぶりに帰ってきた秋のビッグイベントだけに盛り上がりが期待されるが、主催者と来場者が一丸となった感染症対策で大成功に導きたい。
会場への有料シャトルバスは…津市産業スポーツセンター8日㈯9時~21時半、9日㈰9時~22時。県庁外来駐車場9日㈰9時~22時。運賃大人220円、小児110円。
まつりの各会場図やプログラムが掲載された津まつりガイドブックはアスト津1階の津駅前観光案内所や、津まつり実行委員会事務局(津市役所7階観光振興課)にて100円で販売中。
問い合わせ津まつり実行委員会☎059・229・3234。当日☎059・227・5151。