三重県立美術館で9月24日㈰まで、企画展「日根野作三展」が開かれている。
 日根野(1907~1984)は、三重県伊賀市に生まれ、東京高等工芸学校に学んだ後、山茶(つばき)窯、国立陶磁器試験所でデザイナーとしての才能を開花させた。戦後に独立すると、伊賀を拠点に、愛知、岐阜、三重、滋賀などの陶業地を巡り、デザインの指導と普及に努める。ものづくりの機械化、量産化が進む戦後の時代に日根野が力を入れたのは、手作りを主とした、近代的な感覚を持つ生活用具「クラフト」。作り手が得意とする技術や個性、地域それぞれの多様性を活かした人間味あるデザインを説いている。
 今展は、各地に残される作品資料約180点から日根野の生涯をたどる過去最大規模の回顧展。今もなお色あせない日根野作三のデザインの魅力が楽しめる。
 観覧料は一般1000円、学生800円、高校生以下無料。開館は9時半~17時(入館は16時半まで)、休館日は、月曜(9月18日は開館)、9月19日㈫。問い合わせは同美術館☎059・227・2100へ。