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津市桜田町の鍼灸院「水谷はり灸」の院長である水谷浩樹さん(51)のもとには、シニア層からスポーツに取り組む学生まで様々な悩みを抱える人々が訪れている。
水谷さんが東洋医学に基づく伝統的治療法の鍼・灸と出会ったのは高校生の頃。腰椎椎間板ヘルニアで1週間以上、寝たきり生活を送ることになってしまったため、三重県中を巡った末に出会ったとある鍼灸院で鍼灸治療を受け、無事に歩けるようになった。
その時から抱き続けていた強い憧れが原動力となり、一念発起で脱サラし、はり師ときゅう師の国家資格を取得した。日々、鍼灸院に訪れる患者一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取りながら、身体や精神の状態に合わせた最適の施術を心がけている。解剖生理学など西洋医学分野の知識も蓄えるなど、より良い施術をするための努力は惜しまない。
先月には、「世界マスターズ水泳選手権2023九州大会」に、自らが所属する公益社団法人日本鍼灸師会を通じてボランティアスタッフとして参加。世界各国から集まった選手たちのボディケアに携わった。その中で、人種による筋肉や骨格の特性の違いなど書物では得られない生きた知識を得たり、他の鍼灸師から手技の手ほどきを受けたりと、貴重な経験が日々の施術にも生かされている。
南海トラフ地震などで県内も大きな被害が予想されるが、水谷さんは「災害時の避難所のケアにも、積極的に関わりたい」と語る。多くの人々が日々健やかに過ごせる仕事を通じた社会貢献を生き甲斐としている。
問い合わせ☎059・202・7051。
2023年9月28日 AM 4:55