検索キーワード
ベンチに座っていたら、背後からおじさんたちの声が聞こえてきた。「昨夜フキノトウの天ぷら食べたんや。フキノトウを漢字で書けるか。これがなかなか書けやんのや」「そんなん書けるかい」
私はフキという漢字を思い浮かべた。草冠に路と書くのではなかったか。路端に生えるから蕗かなと思う。ではトウはどんな漢字だったか。草冠に童ではなかったか。花の子供の集まりだから。
そこでスマホで調べてみたら、蕗の薹のトウは童ではなかった。そんなん書けやんわと私も口に出しそうになった。
漢字は難しい。読むのは結構得意だが、書くのは苦手。キーボードで文字を出すようになって四十年ぐらいになる。指を動かせば漢字が出てくるからペンで一画一画書くことを忘れてしまった。
檸檬とか薔薇とか、クイズになりそうな漢字もある。顰蹙とか憂鬱とか、そういう字は書けなくても良いだろう。
今の若い人は小さい時からキーボードやタッチパネルで文字を出しているのだから、漢字を書くことなど無駄だと感じているのではないだろうか。書き取りなどやりたくなさそうだ。
でも漢字は意味を含んでいる。山脈、食堂などの語を見ればだいたいの意味が分かる。漢語は短い表現で意味を伝えられる。木へん、金へんなどと書きながら意味を覚えることも大事かと思う。
(舞)
2024年2月22日 AM 4:55
<< かな文字の魅力を伝える作品展示 第十六回 桂筆会かな書展 29日から県総文第2ギャラリーで 津に生き、津の人々に愛された彫刻家 特別展示「矢守一声展」 県美で3月末まで開催中 >>