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2024年5月
いわゆる「ビッグ4」と呼ばれる外資系ホテルチェーンとしては、マリオットやハイアット、ヒルトン、そして、インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)がよく知られている。加えて、最近ではタイのセンタラやシンガポールのカペラといった東南アジアのホテルグループも日本市場に参入してきている。円安を背景に外資系ホテルの進出は加速、その幾つかは大都市圏のみならず地方都市へも波及してきている。
なにしろ、国際的知名度が47都道府県中下から二番目か三番目の三重県でさえ、米国投資ファンドのブラックストーンや、米国の運営会社であるチョイスホテルズ、そしてマリオットが進出してきており、鳥羽市においてもアジア系投資会社のホテルが改装オープンしている。
実は私は今そこにいるが、その内装はまるでゲストハウスの延長にあるような洋式の旅館となっている。ベッドも大きい。そして、ホテルマリテームで大いに悩まされた雨漏りが全くないのが何よりである。
外資系進出の理由は至ってシンプルである。多くの外資系ホテルの運営会社(オペレーター会社)が、宿泊需要の長期的成長に期待しているからだ。つまり、日本市場はこれまで閉鎖的で発展途上だったからである。彼ら彼女らはそのポテンシャルに注目しているのだ。
また、日本人は観光(ツーリズム)=物見遊山(サイトシーイング)と勘違いし、週末だけの娯楽産業だと思っているが、外国人はツーリズム=人的移動市場と理解しており、日本市場はサービス貿易の拠点として高く評価されている。その証左に、ケツに火がついた地銀は、ホテルや旅館を不良債権扱いして損切り処分の対象とする(そう思われても仕方のない世襲経営者もいるが)。彼らはモノ貿易に代表される20世紀型価値観から脱却できていない。
一方、海外投資家は、インターネットサービスの発達とともに急成長をみせる日本のインバウンド需要を欧州に続く投資対象と見ている。この事は、私が10年前に参加した欧州の観光統計フォーラムで、欧州・オセアニアの先進事例として既に発表されていた。日本は10年遅れなのである。
外資系ホテルの独特な契約体系も、新規ホテルの開業を促す要因となっている。外資系ホテルの最も一般的な開業形態はホテルマネジメント契約(HMC)だ。
これは日本の公共施設の指定管理制度に似ているが、ホテルのオーナーはホテル運営会社を設立して内装や備品、設備などに投資し、オペレーター会社は運営ノウハウを持った人材を派遣してホテル運営を実質的に統括する。オペレーター会社は出店時のコスト負担を軽減でき、出店機会が増えれば増えるほど手数料収入が増え、出店数の増加につながるわけである。
例えばトマムの場合は、米投資ファンドのグローブが全株式を中国の復星集団に183億円で売却したが、星野リゾートは日本政策投資銀行の支援を受け、オペレーター会社として今にちに至っている。
しかし、多くの場合、主導権はオーナー側にある。これはスポンサーだから当然なのだが、信頼関係が損なわれたり、心得が足りないとオペレーター会社の交代もあり得る。その場合スタッフの雇用は、事業継続の有無によって、継続または打ち切りとなる。外資系ではないが、オーナー会社が売却したマリテームの場合は後者だった。
このオーナー会社は、国の高付加価値化事業の補助金を得るに至るも、改装か転売かを最後まで迷い、結局のところ改装を諦め売る事にした。国の予算を使ったが最後、3年以内に転売したあかつきには国庫返納の定めがあるからだ。買った側の国内大手リゾート会社は、ウワモノ(建造物)を解体し、新たに新築するという。考え方とすれば、老朽化した鉄筋コンクリート製の建物は、諸設備等々、年々歳々修理が嵩めば新築なみのコストを要する。
そのコストは、顧客の高級化または薄利多売の何れかでなければ回収できない。ならば最初からスクラッチビルドの方が、長期スパンでは割安だというわけだ。とりわけそれは、ホテルではなく旅館形態を目指すならば的を射ている。旅館とは、宿泊施設に飲食店と風呂屋の機能も備えた複合施設のことであり、ホテルとは似て非なるものである。したがって、老朽化したボイラー、空調設備、厨房機器、配管、浴室の濾過システムなどへの投資は、畳宴会場の解体や客室のリフォームよりも高くつくからだ。
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツと湯快リゾートも米国ファンドのローンスターの傘下だが、両社は現在、経営統合を進めている。業務効率向上による再建加速が目的である。
私は海外からのチャレンジャーたちにエールを送ると同時に、10年遅れの日本の投資家たちにも20世紀型常識からの卒業を望む次第である。
(OHMSS《大宇陀・東紀州・松阪圏・サイト・シーイング・サポート代表》)
2024年5月23日 AM 4:55
士清生誕三百年祭も無事に終え、「谷川士清の会」も、地に足がついてきたように思えてきた五、六年前、まずは自分でやってみようと、難解な漢字の読みと意味を、県立図書館の『大漢和辞典』等で調べ、直訳で考えました。何ともたどたどしい文になってしまいましたが、道の上をしっかり踏みしめて歩いている気もしました。
話の途中、近くの安濃郡五百野、安濃郡長岡町、少し離れて、鈴鹿郡長瀬神社も出てき、三輪山を含め、士清さんが実際歩いて調べていることが想像できます。また、たくさんの書物を読んでおられることも随所から伺えました。
士清さんが『勾玉考』を出版したのが一七七四年、一六歳年下の木内石亭さんが『勾玉問答』を著したのは一七八三年です。『勾玉考』にも二人の親密さが窺える箇所があります。
松浦武四郎記念館で講義された米本一美氏の土殷けつと石亭さんが『雲根志』に書いた土殷けつ、そして士清さんが記した菅玉との関係はどうなのかと、どんどん繋がっていきました。これは勾玉は女性の憧れだけでなく男性の憧れでもあったことを証明しています。
士清さんは今でいう「子持ち勾玉」を「太古の刀剣」とし、石剣の柄頭と考えていました。この説は木内石亭や藤貞幹らに受け継がれ、「子持ち勾玉=柄頭」とされていました。この考えは、明治一七年、神田孝平(洋学者・蘭学者・政治家)が『日本太古石器考』において一〇項目ほどの理由で「子持ち勾玉=勾玉の一種」とするまで続きました。特に次の二つが印象に残ります。○勾玉は多く古墳より出るが、石剣頭は未だかつて古墳から出たとは聞かない。○曲玉も子持ち勾玉も小さな穴がひとつある。
士清さんも人間、間違いもあるんだと思えた話でした。
士清さんの人柄をよく表している部分を訳で書きます。
「右勾玉考一篇、諸家塾に刻む、似て同志に差し上げる、ただ転写の労を省くのみ、発売はゆるさず、総じて全体の利益である」
(谷川士清の会顧問)
2024年5月23日 AM 4:55
津市久居明神町1690の44にある「ポケットさんのブルーベリー農園」が、6月8㈯にリニューアルオープンする。
園主である川合利昌さん(45)が、「久居地区をブルーベリーの産地としてメジャーにしたい」との想いから5年前に開園した。土を使わず、一本一本を「ポット栽培」しているのが特徴で、ポットの中は土の代わりにスポンジを使い、肥料ではなく水と栄養素をたっぷり含んだ養液をポット毎に適時ホースで注入し育てる。
また、農薬も一切使わない。そのため約600坪の園内にある約500本、50品種ものブルーベリーの管理は全て手作業。見回りながら自分の目で育ち具合を確認すると同時に害虫を手で駆除していく。
川合さんの本業はペットトリマーとして「ポケットドッグハウス」の経営。動物と同じくらい自然が大好きな川合さんは、住宅開発などで自然や農地が徐々に無くなっていく現状に心を痛めていた。そこで一大決心、自分で自然を取り戻そう、やるなら農園、それと大好きなフルーツを栽培しよう、と資金を捻出し設備を整え、開園にこぎ着けた。
本業と両立させながら当初は手探りでの栽培だったが、毎年、スキルアップに並々ならぬ努力を重ねた結果、50品種を食べ比べできる現在の規模にまで発展させた。
普段、食べている多くの輸入物のブルーベリーは輸送時間を考慮して完熟する前に収穫される場合が多く、甘さが十分ではないと言う。「ここでは本当に甘いブルーベリーが食べられます。毎年訪れるリピーターの方も多いんです」と話す。
今後の課題は天候と集客。昨年も台風や長雨で
少なからず影響を受けたため、今年は十分な対策を講じてオープンへの準備に力を入れている。また、綺麗な水洗トイレを完備している点も女性に喜ばれている。さらに休憩所の一部(ブランコの下)に人工芝を敷くと共に暑さ対策のための日陰も増やした。ブリーベリーだけでは物足りない元気なちびっ子達には縁日気分で楽しめる。
同園の今シーズンの食べ頃は、完熟する6月8日から8月中旬まで。料金は1時間あたり大人1900円、小学生1300円、未就学児~4才まで500円、3才以下は無料(但し持ち帰りは別途料金)。
また、ブルーベリーシロップを使った「かき氷」400円や「ブルーベリームース」400円、「ブルーベリースパークリングドリンク」300円も販売する。
問い合わせは同園☎080・4213・7750。ホームページは「ポケットさん」で検索。
2024年5月23日 AM 4:55