三重大学教育学部附属小学校(津市観音寺町)の前田昌志教諭が中心となり行った学習「ドローンとプログラミング教材を活用した河川防災学習の実践効果の検証」が、第13回理科教育賞を獲得。7月26日に横浜ベイホテル東急で行われた贈呈式で表彰を受けた。
 気候変動の影響による水害の激甚化・頻発化から注目されている流域治水。国家資格のドローン免許を持つ前田教諭は、令和元年度より県内外の流域全体のドローン映像を撮影。広大な流域の制約といった課題を乗り越え、全体像を把握することで児童が活用できるデータベースを構築した。
 同小第6学年C組で9月27日に行った授業では、8月末にこの地域にも大雨をもたらした台風10号後の安濃川のドローン写真と、通常時の様子を比較。実際に届いた緊急速報メールの通知内容などを振り返った後、チームに分かれ、プログラミング教材「レゴⓇエデュケーションSPIKE」で気象台や避難所、災害対策用ヘリコプター、民家などを製作した。残り数回の授業で、防災行動計画を再現するという。児童たちは、「警戒レベルを音声で流すことを目指し、工夫していく」「歯車を使って、水位が上がったことを表すところが難しい」と、班のメンバーと協力して取り組んだ。
 前田教諭は、「現在も継続して、県内外の特徴的な河川の撮影を行っています。自分の命は自分で守る。ドローン映像を活用し、全国の河川防災学習に役立ててもらいたい」と話した。13水系、180本以上に及ぶドローン映像は、YouTubeチャンネル「【河川】ドローン映像データベース」で公開されている。
 同小は、11月30日㈯に公開研究会を開く。内容は、各教科の公開授業、研究協議会、東京大学名誉教授の佐藤学さんによる講演会。前田教諭は「土地のつくりと変化~水害を科学する~」と題し、理科の授業を行う。参加費2000円(学生無料)。11月22日受付締切。
 問い合わせは、三重大学 教育学部附属小学校☎059・227・1295へ。