くすりの回覧板

  飲食物に賞味期限があるのと同様に薬にも有効期限や使用期限が定められています。これらは医薬品の成分や性状及び品質等を保証できる期間です。市販薬等を購入する際も有効期限・使用期限をご確認下さい。
 薬の有効成分は様々な影響を受け、効き目が悪くなってしまうばかりか毒性が増し、体に有害な物質に変質することもあります。薬は適切に保管し、期限の過ぎたものは使用しないようにして下さい。
 保管方法は薬によっても異なりますが、一般的に直射日光の当たらない暗く涼しい場所を選びましょう。長期間保管する際は気密性の高い缶やプラスチックの容器に入れると良いでしょう。その際、乾燥剤を一緒に入れると効果的です。液剤(シロップ剤など)は細菌の繁殖を防ぐために、冷蔵庫での保存が安全です。小さなお子様がいらっしゃる場合は間違って飲んでしまわないように手の届かない所に保管しましょう。
 なお市販薬等の使用期限は未開封状態での期限ですので、開封後は散剤・顆粒は3~6ケ月、カプセル・錠剤・坐薬などは6ケ月~1年、目薬は約1ケ月を目安に使用して下さい。液剤は変質、細菌の増殖の恐れがありますので不要になったものは処分して下さい。
  病院からもらった薬や、処方箋をもとに調剤薬局からもらった薬は、基本的に薬を処方された日数で使用頂くものですので、服用方法・服用期間をしっかり守ることが大切です。それは医師が、それぞれの患者さまのその時の症状、体質、既往歴等に合わせて薬を処方しているからです。
 「以前もらった風邪薬が余っているから飲もう」「私の痛み止めが余っているからあなたにあげる」等は薬の保管方法が適切だとしても危険を伴うので、十分注意して下さい。(㈱メディカル一光・久居センター薬局薬剤師 西田 侑次郎)

 「はやり目」は、流行性角結膜炎といって、アデノウイルスというウイルスが原因で起こる急性の結膜炎です。
 流行性角結膜炎になると非常にたくさんの目やにが出ます。朝起きたときに目やにで上下のまぶたがくっついて、目を開けにくいという時は、流行性角結膜炎が疑われます。
 その他、目の充血やゴロゴロ感も特徴です。耳前リンパ節が腫れ、痛みを感じる場合もあり、風邪と同様に咳や熱が出たりすることもあります。
 また、正常なもう一方の目に感染することもあるので、注意が必要です。
 流行性角結膜炎は通常は軽症のまま終わりますが、時に重症化して、角膜、すなわち黒目の表面の皮がべろりとめくれてしまい、強い痛みを生じることがあります。角膜に濁りが残ってしまう場合もあるので、早期の治療が大切です。
 流行性角結膜炎はウイルス性の疾患で、点眼薬ではウイルスを直接殺すことはできません。
 したがって、傷ついた目の表面からの細菌感染の予防や、症状の緩和が主な治療方法になります。抗生剤の点眼薬と炎症を抑える点眼薬を用いて、目の表面の回復を促します。
 通常は1~2週間で治癒しますが、重症化する場合は、点眼薬を継続することが大切です。
 アデノウイルスは、伝染性が非常に高いウイルスで主に、手を介して伝染します。手で目をこすらないように注意し、他の人にうつさないために、手や顔を拭くタオルを分ける、お風呂は最後に入るなどの配慮も必要です。
 目やにがたくさんでるという症状があるときは、早めに眼科を受診するようにしましょう。
 (㈱メディカル一光・やまゆり薬局薬剤師 田口 吉史)

 雑誌に便秘解消の特集がしばしば組まれていますがそれだけ便秘にお悩みの方が多いということを物語っています。食事や運動に気を付けても便秘が解消されないときは、薬を試される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 ご存知の通り、便秘薬にもいくつかの種類があります。以前からよく使われているものに、大腸を刺激し腸の運動を活発にして排便を促すセンナ系のものや、腸内に水分を引きつけて便を軟らかくする酸化マグネシウムなどがあります。
 しかし、大腸を刺激するものは、腸が刺激に慣れてしまい、増量しないと効果がなくなる、いわゆる耐性がついてしまうと言われています。便を軟らかくするものは、非常にまれですが血液中のマグネシウム濃度が上がってしまうことがあるので注意が必要です。
 最近、慢性の便秘に効果があるとされる新しいタイプの便秘薬が発売されました。これは小腸の壁で作用し、腸管内への水分の分泌を促して、便を軟らかくすることで排便を促進するものです。
 即効性はないため基本的にはしばらくの間、一日2回服用する必要がありますが、耐性や習慣性はこれまでのところ認められておらず、比較的安全に服用できるものと言われています。 この薬は医師の処方のもとに使う薬ですので、頑固な便秘症の方は相談してみてはいかがでしょうか。但し妊娠あるいは妊娠の可能性のある方は飲むことはできません。また肝臓、腎臓疾患のある方や妊婦・授乳婦の方も注意が必要です。その他、使用できない場合もありますので、詳しくは薬剤師にお尋ねください。
 いずれにせよ便秘解消は排便習慣、適度な運動、朝食を摂ることなどが基本です。便秘薬はその補助として、上手に使っていただけたらと思います。((株)メディカル一光・フラワー薬局城山店薬剤師 林 寛子)

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