社会

津市のふるさと納税制度「ふるさと津かがやき寄附」の使途「津城跡の整備」への寄付金が4000万円を突破した。地元有志たちによる「津城復元の会」が、松菱やイベント会場で募金活動を行ってきたが、今年はコロナ禍で苦戦していた。一方、ふるさと納税が好調なこともあり、11月だけで200万円余りの寄附が集まった。〝津城復元〟に向けた第一次目標である1億円に着実に近づいている。

 

 

津城跡

津城跡

『ふるさと津かがやき寄附』は寄附者が選べる使途項目の一つに2014年より「津城跡の整備」が新設されている。この使途に寄附された浄財は全額津城復元の基金として積み立てられている。
それに合わせ「津城復元の会」=西田久光会長=は月一回の松菱での募金活動に加え、津まつりをはじめとする様々なイベントでも街頭募金を行ってきた。また、協力店への募金箱設置、年に一度、ライブやゴルフコンペも企画し、そこで得た浄財を寄附している。地道な活動の成果もあり、今年10月末で、累計3867万円の寄附が集まったが、コロナ禍で苦戦を強いられていた。
しかし、今年は津市のふるさと納税が好調で11月中に「津城跡の整備」に66件194万円が寄せられ、募金と合わせると計201万1540円(速報値)に達し、寄付金は4000万円を突破。12月もふるさと納税の多い時期で更なる積み上げも期待できる。
津城は近年、続日本100名城に認定され、全国から歴史ファンが訪れるなど知名度が確実に上昇中。そのような状況下で、多くの人の想いが詰まった寄附が第一次目標である1億円に着実に近づいており、復元への期待は高まっている。同会の西田会長は「大台を一段上がる度に大きな励ましを頂いているようで感謝です」と話す。
今年分のふるさと納税は12月31日まで受付中。 津城復元の会への問い合わせは西田会長☎090・3933・6061、制度の問い合わせは津市財政課財務担当☎059・229・3124へ。ネットから申し込み可。

アレンジマスクなどプレゼントを鍵山院長に贈る小野寺会長(右)

アレンジマスクなどプレゼントを鍵山院長に贈る小野寺会長(右)

女性たちの社会貢献団体・国際ソロプチミスト三重─アイリス(小野寺あけみ会長)は2日、県下12の児童養護施設の子供達にプレゼントを贈った。
同団体は例年、施設で生活する子供達(3歳~18歳)を招待し、「アイリス夢ひろば」を開いているが、今年は新型コロナウイルス感染等を考慮し中止に。その代わりにプレゼントとして、お菓子、子供向け映画ビデオ、本、ベビー下着のほか、会員全員で市販のマスクにワッペンやボタンを飾り付けして製作したアレンジマスク400枚を配布することにした。
前日の1日には、小野寺会長と南野みゆき実行委員長が12施設の中のひとつである河芸町の里山学院を訪問。「残念ながら夢ひろばは中止になりましたが、プレゼントを持ってまいりました。子供達に喜んでもらえると嬉しく思います」と話し、鍵山雅夫院長に手渡した。
鍵山院長は「外出する機会が無くなり施設内で過ごす事が多くなっています。子供達の楽しみも減っているので、とても喜ぶと思います。マスクは付けたがらない幼児も多いのですが、アレンジしたマスクなら付けるきっかけになるかと思います」と謝辞を述べた。

11月21日、「高田高等学校(6年制)」の生徒有志が、名古屋産業大学、㈱赤塚植物園の協力を受け、レッドヒルヒーサーの森=津市高野尾町=にある常緑樹の枝葉を採取し、葉に含まれる葉緑素の濃度や、光合成によるCOの吸収量などの測定を行った。生徒たちは継続して測定を行い、COの吸収源として優れた緑化木を選定。脱炭素社会に向けた都市計画へ利用できないかも考察していく。

 

 

CO2測定に使う枝葉を採取する生徒たち

CO2測定に使う枝葉を採取する生徒たち

「高田高等学校」=津市一身田町=は、2017年より多様な植生で環境学習の場となるレッドヒルヒーサーの森=同市高野尾町=を持つ赤塚植物園、CO濃度調査に基づく環境教育プログラムの開発と実践に取り組む「名古屋産業大学」=愛知県尾張旭市=の協力を受け、産学連携による環境学習を展開している。
目的は、世界的な課題である環境問題に対して、未来を担う若者達に自らの課題という認識を持ってもらい、それを周囲に伝えられる人材を育成すること。今回は40名の生徒有志がグループに分かれて参加。
生徒達は同大学講師の長谷川泰洋さんや岡村聖教授と共にヒーサーの森に入り、様々な植物についての解説を受けながら緑化木に向いている常緑樹のツバキ、ソヨゴ、スダジイなどの枝葉を採取。同時に継続した観測でデータをとるため、採取した枝の生えていた方位や高さなども記録した。
その後、ヒーサーの森に隣接する朝津味に移動し、葉に含まれる葉緑素(クロロフィル)の量を測定したり、CO濃度測定器を使って光合成によるCO吸収量と、呼吸によるCO排出量の測定を行い、植物ごとに数値の違いが大きいことに驚いていた。今後2月、5月、8月に同様の計測を行い、四季を通じたデータを収集。CO貯蔵庫としての役割を果たす樹木の能力を科学的に分析する。
今までは、葉の量など、見た目や病害虫などの耐性や手入れのしやすさで選ばれてきた緑化木を、COの吸収能力という新たな観点で選定し、今後の都市計画に生かせないかなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みをしていく。  三重県でも昨年に2050年までの温室効果ガスの排出実質ゼロをめざす「ミッションゼロみえ2050」が打ち出されており、その担い手となる生徒達による今回の意欲的な取組みは、より一層意義深いといえる。

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