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社会
津まつりの歴史は、寛永9年(1632年)に津藩の2代藩主・藤堂高次が千歳山(津市垂水)にあった津八幡宮を現在の場所(津市八幡町)に移したことから始まる。その3年後の寛永12年(1635)に藩費を貸し出して祭りを推奨したことが津まつりの起源とされており、かつては津八幡宮の祭礼として、各町が山車や行列で市中を練り歩いた。時代に沿って少しずつ形を変え、今に受け継がれている。
津まつりといえば、江戸時代より伝わる「唐人踊り」、「しゃご馬」、「八幡獅子舞」や明治期に完成した「入江和歌囃子」を真っ先に思い浮かべる市民も多い。更に、今年50周年を迎える「津・高虎太鼓」や市町村合併した各地域で行われている郷土芸能、市内外から多くのチームが参加する「安濃津よさこい」、年々加わる新しい試みなど進化を続けている。受け継がれた伝統と新しさの融合が特徴の全国でも珍しいタイプのまつりとしても知られる。
コロナ禍によって2年連続の中止を強いられ、昨年は3年ぶりに開催されたものの、感染対策のために規模が縮小され、会場内での飲食が禁止されるなど制限付きの開催となった。ようやく、コロナ禍を乗り越えた今年は一切の制限を設けず、待望の制限なしの通常開催となる。
主な催し…10月6日17時15分~21時25分にはお城西公園の特設ステージで前夜祭を開催。翌7日7時半~9時40分に行われる津八幡宮の祭礼の後、郷土芸能団体が山車と共に伊勢街道から市内を練り歩く。お城西公園会場・津中央郵便局前会場・フェニックス会場・観音公園会場など7エリアで開催。18時50分~フェニックス会場で恒例の市民総踊りも行われる。
8日は、お城公園・津新町通り会場・津駅前会場などを加えた12エリアの会場で開催。9時半にスタートする大パレードには44団体が参加し、4年ぶりの和船山車「安濃津丸」の一日船長にはタレントの須田亜香里さんを迎える(一日船長櫂引き渡し式は裁判所前会場で13時50分頃~。一日船長トークショーは津中央郵便局前で14時50分頃~)。津郷土芸能5団体(しゃご馬、伊勢津太鼓、津商工会議所青年部元気玉太鼓、津青年会議所高虎太鼓、津民芸保存会)が共演する安濃津芸能絵巻は15時頃~津中央郵便局前。16時50分~フェニックス会場で津郷土芸能連絡協議会による津・郷土芸能の集い、19時~お城公園で美杉手筒花火、18時~お城西公園会場で安濃津よさこいのファイナルステージが行われる。(4面にも情報掲載)
今年は久しぶりに本来の姿の津まつりが帰ってくるため、今から心待ちにしている人も多い。多彩な催しで市民が一つになるのが楽しみだ。
会場への有料シャトルバスは…津市産業スポーツセンター7日㈯9時~21時半、8日㈰9時~22時。県庁外来駐車場8日㈰9時~22時。運賃大人230円、小児120円。
まつりの各会場図やプログラムが掲載された津まつりガイドブックはアスト津2階の津市観光協会や、津まつり実行委員会事務局(津市役所7階観光振興課)にて200円で販売中。当日はお城西案内所とフェニックス案内所で販売予定。
問い合わせ☎059・229・3234。開催中の問い合わせは☎059・226・0666。
2023年9月28日 AM 5:00
ある民事裁判において、三重県教育委員会事務局の職員が「証拠」として提出した自身の勤務表の改ざんが問題視されている。当人は裁判の中で改ざんの事実を認めたものの、県や教育の信頼の失墜及び教育行政そのものを大きく揺るがしかねない不祥事だけに、県教委に対して不正の通報と再発防止を求める要望書も提出されている。
昨年、市内在住のA氏は、県教委事務局の職員B氏に対し、民事上のトラブルによる損害賠償を求めて、津地方裁判所で民事裁判を起こしていた。しかし、B氏は当初A氏の主張が事実無根であるとし、それを裏付ける証拠として自身の勤務表を提出。A氏がトラブルが発生したと主張する日時に自分は仕事をしていたので関与が不可能と反論していた。
この勤務表は県職員でしかログインできない勤怠管理システムのページを印刷したもの。これには「mieken.jp」と三重県のドメイン(インターネット上の住所的なもの)も記されており、三重県から出された確かな情報と認識するに足る体裁が整っていた。
しかし、A氏は自身が調査して集めた情報などから勤務表の内容を不審に思ったため、三重県に対して情報開示請求を行った。そして、取り寄せたB氏の勤務表とB氏が提示していた勤務表を突き合わせたところ、日付に食い違いがあり、改ざんが浮き彫りとなった。 逆に不正の証拠を突きつけられてしまったB氏は、一転して自身が改ざんしたことを認め、A氏の主張が概ね認められる形で裁判は結審した。
裁判所も、県の正式な情報と誤認されてもやむを得ない改ざん書類が証拠として提出されたことについては「民事訴訟法に定められた信義に従い誠実に民事訴訟を追行する当事者の責務に著しく反する」と断じている。
裁判後、A氏は、B氏による虚偽公文書の作成といった行為が公務員の信用失墜に当たることなどを問題視し、賛同者の署名を添え、三重県教育長宛ての「不正の通報及び要望書」を6月30日付で県教委事務局へと提出。B氏への監督責任を問いつつ、再発防止策の提示を求めている。
県教委は要望書の提出を受け、本件の裁判記録を取り寄せ、本人からの聞き取りなどで改めて事実確認を行い、法的な問題点などを精査した上で、然るべき対応や処分を考えるとしている。
県教委が公表している懲戒処分に係る標準的な処分量定一覧によると、公文書の偽造は、停職または免職と定められており、数ある処分の中でも重い方に分類される。
更に、法的に公文書偽造の罪となった場合は、懲役や罰金の刑事罰も課せられる。この罪を問う場合に重要になるのが「行使の目的」。偽造、変造した文書を本物と誤認させる意図があったかが問われる。また、今件が公文書偽造の罪に該当するのか判断する上では、改ざんされた基となった勤怠管理システムが公文書として認められるかが分かれ目という。
ただし、今件が法的に公文書偽造の罪に該当するかどうかを抜きにしても、公務員しか入手できない情報を改ざんし、自分にとって都合の良い方向に事実を歪めようとした行為自体が、著しく社会通念を逸脱している。
また、地方公務員法第33条「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」に照らし合わせると、県や教育の信頼を失墜させる行為の疑いがあり、少なくとも学校で日々学ぶ児童生徒やその保護者はもちろん、現場で懸命に働く教職員たちへの重大な背信行為であることは間違いない。
教育行政は三重県の未来を担う子供たちの健全な成長を司る要。その中枢である県教委は、教育に携わる者の規範となるべき存在であり、高いモラルが求められることは語るまでもない。本来の在るべき姿とは正反対といえる今回の不祥事は、発端こそ私的な民事裁判だが、個人の責任の範疇を超え、組織としての責任が問われる領域にまで波及している。
対応を誤れば、教育行政を大きく揺るがしかねない事案だけに、県教委は、速やかに綱紀粛正を図り、二度と同じ問題が繰り返されないよう再発防止策を示すと共に、真摯な取組みが求められるだろう。(この稿、令和5年7月7日現在)
2023年7月13日 AM 5:00
5月13日㈯に津市大門周辺で「津ぅのドまんなかジャズフェスティバル」が開かれる。コロナ禍も工夫を凝らした運営で乗り越え、迎えた今回は、9会場36ステージでプロアマミュージシャン190名の多彩な演奏が楽しめる。また大学生が企画運営する「ニューマルシェ大門」も同時開催。中心市街を音楽と活気が彩る一日となりそうだ。
同フェスティバルは、2015年から津市大門周辺を会場に毎年開催。津市の中心市街地で生演奏が楽しめる本格的なジャズイベントとして親しまれてきた。
中心市街地の活性化や音楽文化の普及を目的に地元のミュージシャン達による実行委員会が運営。2020年のコロナ禍で危機が訪れたが、演奏の機会を失ったミュージシャンやライブハウスの苦境を目の当たりにし、音楽本来の形である生演奏を楽しんでもらう場を提供できないかと感染拡大防止策に創意工夫を凝らした上で、イベントを継続してきた。
8回目の今年は津市まんなか広場、津市センターパレスホール、神楽洞夢、和院、BRAN、コニーズ・カフェ、LinО、МUNEYANの9会場で計36ステージ。
プラネタリウムの神楽洞夢での幻想的な星空ライブには、人気バイオリン奏者・高橋誠氏が率いる「高橋誠 European JAZZ Trio」と名古屋の人気ボーカリスト「junko」トリオが登場。その他、今年のテーマである「サーフ」にピッタリのベンチャーズトリビュートバンド「Wチェアメン」、津市出身のベーシスト・長谷川英喜氏、ピアニストの平光広太郎氏が率いる平光広太郎トリオなどのゲストミュージシャンを含むプロアマ190名が出演する。10時50分~のまんなか広場ステージを皮切りに、多彩な演奏が楽しめる。Heart ぽっぽでも出演ミュージシャンたちによるセッションが随時行われる。
さらに、名古屋音大生の松井京介さんら東海地区の大学生による学生実行委員会「Jam Waves」が、まんなか広場・センターパレスホール・大門商店街で「ニューマルシェ大門」を同時開催。「最初の一歩」を踏み出すフレッシュな大学生による出店が中心で、どこか懐かしさを感じる大門で〝新しい〟に出会えるマルシェになりそうだ。
コロナ禍を乗り越え、誰もが待ち焦がれた日常の中、久しぶりに気兼ねなく音楽が楽しめる今回のイベントにより、津市の中心市街地は心地良いジャズの調べと活気に包まれそうだ。
ライブは全て観覧無料。ただし、神楽童夢のライブは予約制(先着順のため既に締め切っている可能性あり)。また、センターパレスホール、まんなか広場、神楽洞夢以外のライブハウス会場は要ワンドリンクオーダー。今年は京都のイラストレーター・ナカガワ暢さんのデザインしたロゴ入りTシャツやステッカーを販売。利益はイベントの運営資金になる。
2023年5月11日 AM 5:00