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津城復元の実現に向けてかつてない追い風が吹いている。近年、ふるさと納税制度が好調で、津市のふるさと納税制度「ふるさと津かがやき寄附」の使途項目「津城跡の整備(復元資金)」への寄附金も近々6000万円に届きそうな勢い。市も気運の高まりを受け関係部署でプロジェクトチームを立ち上げ、復元に向けた本格的な議論を開始している。いよいよ夢が現実へと変わる時が近づいている。
2014年より『ふるさと津かがやき寄附』の寄附者が選べる使途項目の一つに、「津城跡の整備」が設けられており、全額津城復元の基金として積み立てられている。
「津城復元の会」=西田久光会長=は松菱での月一の募金活動や、津まつりをはじめ、様々なイベントでの街頭募金、協力店への募金箱設置などを実施。加えて、年に一度、ライブやゴルフコンペを企画し、そこで得た浄財を寄附するといった活動を続けている。
大きな追い風となっている一因は近年のふるさと納税の利用増。閲覧性に優れたポータルサイトの充実、各地の特産品などの返礼品の比較検討がし易くなったことや、キャッシュレス決済への対応を含め、手続きがスマホ上で完結できるため、ふるさと納税制度を利用する人が飛躍的に増加しているからだ。
津市でも3万5000円以上の寄附には朝日屋の名産松阪肉を送るなど返礼品を充実させている。令和元年度の7555万円に対し、令和2年度は寄附総額が1億7811万円、令和3年度は2億4941万円と過去最高を更新し続けている。今年も昨年には及ばないものの、良いペースで推移しているそう。「津城跡の整備」へ集まった寄附額は今年10月末で5738万円。昨年ベースで考えると年末の締め切りに向けて11月と12月で年間の6割以上の寄附が集まるので、年内に6000万円を突破できる見込みも十分ある。
ふるさと納税と募金にはこれまで述べ2万7000人ほどが協力し、大きな金額が積みあがってきたこともあり、津市もいよいよ復元に向け本格的に検討する準備を始めた。復元の土台となる石垣の状態を調べ、石垣を傷める原因となっている木をどうするのか、また市民の憩いの場であるお城西公園のあるべき姿を考えるため、教育委員会
やスポーツ文化部、観光振興部局が集まって議論を始めている。
西田会長は「私たちがこの活動を始めた時は夢物語だった。ようやく夢から現実に変わりつつある」と喜ぶ。津城は続日本100名城に選出されて5周年を迎え、訪れる人も増えている中で、ますます勢いがついていくことが期待される。
今年分のふるさと納税は12月31日まで受付中。津城復元の会への問い合わせは西田会長☎090・3933・6061、制度の問い合わせは津市財政課財務担当☎059・229・3124へ。ポータルサイト「ふるさとチョイス」からの申し込みも可。
2022年12月8日 PM 5:00
富士山のパワーを受け取って下さい!
三重富嶽クラブ(宮木三郎会長)による「第9回富士山写真展」が12月16日㈮から18日㈰まで、津リージョンプラザ3階展示会場で開かれる。後援=津市・津ライオンズクラブ・中日新聞。入場無料。
同クラブは雄大かつ優美な富士山に魅せられたメンバーで結成。展示会は10年前に第1回を開催。以来、毎年、季節により様々な表情を見せる富士山の写真を展示。観る人の心に残る感動を与えてきた。
第9回となる今回で一つの区切りとし、最終回となる。各メンバーが全紙から全倍サイズまで自慢の作品計70点余を発表する。
2022年12月8日 PM 4:55
いわゆる「空き家問題」といえば、今にも倒壊しそうなほど老朽化した家屋で起こる様々な問題をイメージする人も多いが、そうとは限らない。今回紹介するケースは、まだ利活用できそうな状態の住宅だが、身寄りのない所有者が死亡したことで適切な管理がされないまま放置されているというもの。類似の問題も身近に発生しそうだ。
津市内のとある閑静な住宅街。その一角にある比較的新しい二階建ての一般住宅。この家の持ち主だった一人暮らしの高齢男性は昨年夏に死亡している。近隣住民の話によると、生前肉親との付き合いもなかったようで、男性の死後、住宅は放置されたままの状態に。空き家が社会問題化している中、近隣住民としては所有者が不在で管理されないまま放置されれば、いずれ家が荒れ果ててしまうことを危惧している。しかし、建物の現状を考慮すると、利活用や売却といった手段も期待できるため、国や市を介して円満な解決ができないかという想いがあった。しかし、住宅や宅地は個人資産であり、権利が守られているため、行政であってもそこに踏み込むことは難しい。
全国の空き家数は2018年時点で848万9千戸で全国の住宅の13・6%を占めており、倒壊しそうな状態で放置される空き家など、空き家問題が深刻化。その流れの中で「空家対策特別措置法」が施行し、特に危険な空き家を「特定空き家」に指定できるなど権限を強化された市町村が様々な対策を進めているが、裏で問題化しているのが今回のような所有者不明の空き家だ。多くの宅地では、相続時に登記がし直されていないため、登記簿だけで持ち主を見つけるのが困難な場合が多い。そこで特措法では市町村が空き家の所有者に適切な管理を促すことを目的に、土地の所有者を特定する用途で税情報などの利用が認められている。ただし、数世代の相続を経て、相続権を持つ人数が膨大で、全国に散らばっているというケースも珍しくない。
津市によると、大部分の空き家は、調査さえすれば、相続した所有者が見つかるという。しかし、近年では価値の低い土地で倒壊寸前の空き家の管理や撤去を求められることを嫌がり、相続した人全員が相続放棄を行い、所有者が不在になってしまうケースも顕在化している。自治体が財産管理人制度を利用して、危険な空き家を撤去した上で土地の売却処分等をする手法が用いられることもあるが、実質的には所有者に代わって空き家の撤去を行う行政代執行の補助的な役割を果たすケースが多い。分譲マンションでも同様の経緯から持ち主不明の部屋が発生し、管理組合の悩みの種になり始めている。
今回の空き家の場合は1年半ほど放置されているが、実際に相続権を持つ人が居ないかどうかが確定していない状態。夏場の草の繁茂や虫の発生などで周囲に悪影響を与えているなどの理由があれば、前述のように市が特措法に基づき調査し、相続人を見つけられれば改善を促すことも可能という。そして現在の所有者が自分の財産と認識すれば利活用や処分等の対応を取る可能性もある。
時代の流れと共に土地や建物を含む財産は受け継がれるものという不文律が崩壊。関係性が希薄な家族も増加し、問題は今後も深刻化しそう。こういった背景を踏まえて成立した「相続土地国庫帰属制度」が来年4月からスタート。相続や遺言で土地を取得した人が不要となった土地を国が引き取るため、同様の問題解決に寄与することが期待されている。しかし、建物を撤去して更地にしないと引き取ってもらえなかったり、相応の費用も必要になることなど、現状提示されているハードルは高く、問題の特効薬足りえるかは疑問が残る。
市内を見渡せば、至る所で空き家問題が起こっており、誰にとっても非常に身近な問題といえる。特に自分や家族の所有する土地や家をどうしていくか、考えることが必要かもしれない。
2022年12月1日 AM 5:00