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生徒の前で自社の取組を伝える林口さん

 7日、津市立橋北中学校で津中央ライオンズクラブ=以下、LC=が各分野のプロフェッショナルとして活躍する会員による職業講話を開いた。
 同LC初の試み。将来社会に出る時に向け、生徒たちが様々な仕事について知る機会を得るキャリア教育の一環として開かれたもの。2年生6クラスの生徒209名が参加。同LCからは、空調設備工事の㈱三重空調の西村吉信さん、自動車販売の㈱ホンダオート三重の林口朋一さん、葬祭業の㈲ベルサポートの辻康次さん、不動産業の㈱ライフプランの坂野誠さん、給水設備工事のAya水道の岸田慎次郎さん、地域プランナーの村主英明さんの6名が講師として参加した。
 講師を務めた6名は、それぞれが各クラスに分かれ、生徒たちの前で自分の仕事について紹介するだけでなく、自身は学生時代をどのようにすごしたかや夢についての話をした。一部を紹介すると…林口さんは1977年に起業し、津市を中心に三重県内で自動車販売及び修理を行う会社を経営しているが、自社独自の地域限定ロードサービス「安心ネットワークシステム」を運営。その中で得た事故が起きやすい時間などのデータを基に、営業時間を決め、従業員の働きやすい環境づくりにも取り組むITを生かした経営を紹介していた。

津の建物を再現したジオラマ作品と山口さん

 津市美里町北長野の美里ふるさと資料館で、山口幸伸さん=47、津市殿村=のジオラマ展「幸伸展3」が開かれている。入場無料。会期は8月28日迄。月曜休館。
 山口さんのジオラマは丹念に切り揃えた模型用のプラスティックの板と棒とパテなどを使って建物や構造物などをつくりあげていくスタイル。作品展は3回目で昨年までは、特撮映画やアニメの再現などが中心だった。
 今展は、美里町の長野トンネル(同資料館に寄贈)のジオラマ作成をきっかけに、津市内の懐かしの建造物に挑戦している。旧百五銀行本店と岩田橋、大門百貨店(松菱の前身)と津警察署、中村珈琲、塔世橋、津東映シネマ、津スカラ座、津東宝劇場などを見事に再現。そのほか、ゴジラと四日市コンビナートのジオラマなど16点が展示されている。
 山口さんは先天性の障害があるため、車椅子で生活しているが明るい性格で、ジオラマ制作の資料写真を集めつつ、当時を知る人への聞き込みなどで情報収集も行った。「皆さんの中の津の思い出がよみがえると嬉しい」と話している。

亀山駅前の日本武尊と弟橘媛の銅像

 6月9日7時40分頃。伊勢別街道の旅2日目。前回の中断地点である芸濃町椋本まで戻るために、JR亀山駅近くの駐車場に車を停めた私は駅に向かって歩き出す。駅前は数年前の記憶から、すっかり様変わりしていた。再開発事業によって図書館・マンション・商業施設からなる洒落たビルと高層マンションがそびえ立っている。ロータリーも駅を利用する人の送迎の車から、乗降しやすいように待機スペースと通行部分がしっかり分けられている最新型。スタイリッシュかつ使いやすく整備されているのが見ただけでわかる。ロータリーの中ほどには、日本神話の大英雄・日本武尊と寄り添う妃の弟橘媛の銅像。亀山市は、日本武尊が最期を迎えたと言われる能褒野があるため、縁が深い。交通の流れを大きく変えるリニア新駅の市内誘致が期待される中で、新たな時代を象徴する駅前のシンボルにふさわしい。
 通勤時間なので、人々が列をなす三重交通のバス停で時刻表を覗いた私は思わず「しまった」とうめく。バスは5分ほど前に出発してしまっており、次発は10時前だったからだ。しかし、そうなれば、私が取るべき行動は一つ。椋本まで歩くのみ。距離にすると7㎞強。道程とこれまでの経験を加味すると、ちょうど10時くらいに着けるはず。リニアで東京大阪間が凡そ一時間で結ばれるという話題とは正反対ののんびりとした時の流れに身を任せようとしている。
 駅を後にした私は関西本線と紀勢本線の踏切を越え、県道28号(亀山白山線)を南進していく。薄雲のカーテンが日差しを和らげてくれているおかげで歩きやすい。この道は車ではたまに通るが、のんびり歩くのは初めて。10年ほど前に連載していた津市全域を巡る自転車旅の初日もこの道を走って芸濃に向かったことを思い出す。あの連載以降、形や場所を変えながら、旅をテーマにした連載は今や私のライフワークにもなっている。今日ここを歩くのは全くの想定外だが、旅連載の原点を振り返ることが出来たのは僥倖と呼ぶほかない。「人生はどこかで帳尻が合うようにできているものだ」としたり顔で頷く自分の楽天家ぶりに我ながら感心する。
 伊勢自動車道の上を横断すると、間も無く亀山市と津市の市境。時刻は9時前。予定通り10時頃には中断地点まで辿り着けそうだ。原点を振り返ったついでに、少しだけ私事を語らせて頂くが、4月に第一子となる長男が生まれた。名前は「步人(ゆきと)」。歩みを止めなければ、どこにでも辿り着けるというこれまでの連載で得た学びに由来していることは言うまでもない。読みは、敬愛する幕末の偉人の山岡鉄舟の本名・高歩(たかゆき)より拝借した。
 名は親が子に与えられる最初の贈り物。この名を息子に贈ることができたのも私の徒歩旅を応援してくださる皆様のおかげに他ならない。一歩ずつ成長していく小さな命を見守りつつ、この旅を最後まで終えることが当面の目標である。
 予想通り10時ちょうどに椋本のバス停に到着。十分すぎる準備運動を終えた私は関宿をめざして歩き始める。先に何が待つか楽しみである。(本紙報道部長・麻生純矢)

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