歩きへんろ夫婦旅
4日目、鍋岩から13番大日寺(徳島市一宮町)をめざすには玉ケ峠越えが一般的だが、ぼくらはそのルートを避け、3キロほど遠回りの寄井~阿保坂~一の坂~大桜トンネルを抜けることにした。
理由は花粉症対策。鼻腔に持参してきた薬を塗ったが昨夜の症状は第一級。それに大阪の重役タイプおじさんから「この先、長いトンネルを通ることが多いから排気ガス対策にマスクを用意した方が良いよ」とアドバイスを頂いたこともあり、遍路地図帳に店屋のない玉ケ峠越えではなく、マスクと昼食調達のためコンビニマークの記された神山町寄井に向かうことにしたのだ。 (さらに…)
2010年11月1日 PM 12:09
焼山寺道の途中から出だした鼻水は、杖杉庵から更に下ると一層ひどくなってきた。鼻の穴から垂れると思った瞬間、リュックにぶら下げたタオルで拭く間もなくツツーと滑り落ちる。粘り気が全くない。
嫌な予感……これはきっと寒さのせいだと自分自身に言い聞かせた。転倒の危険がつきまとう長く急な下り坂なのに鼻水でどうにも集中力が保てない。「膝がガクガクや」と悲鳴をあげる女房と足元注意の声を掛け合いながら、どうにか無事第3夜の宿、なべいわ荘に着いた。元住友産業の保養所、ロッジ風のしゃれた建物だが、見渡せば周りは杉ばかり、おまけに館内禁煙。しまったと思ったが、後の祭りである。 (さらに…)
2010年11月1日 PM 12:08
12番焼山寺から宿のなべいわ荘までは標高差460m、距離3・8キロで 急な山道を下り続ける。宿の客用ノートに「これは第7のへんろ転がしだ」と書いてあった。同感。しかも下り道では一番長くきつい。
焼山寺の手前で逆打ちの中年女性に会ったが、第7のへんろ転がしを実際に下ってみて逆打ちの大変さが身にしみて判った。そのほぼ中間点、1・8キロ下った所に杖杉庵。弘法大師にすがる見すぼらしい男の銅像が建っていた。遍路開祖といわれる伝説の人物、衛門三郎である。 (さらに…)
2010年11月1日 PM 12:07