女の落書帖

夏の花壇用の春蒔き草花の芽が大きくなった。そろそろ定植の時期である。夏の花はアフリカやメキシコなど熱帯や亜熱帯を原産地とするものが多い。マリーゴールドや百日草の派手やかな色が夏花壇を彩るだろう。
そして、もう一つ種を蒔くものがある。それはゴーヤ。ホームセンターに行けば夏野菜の苗がいっぱい売られているが、ゴーヤだけはずぶの素人でも種から育てられる野菜だと思う。このところ毎年、自分で採種したゴーヤの種を蒔いている。
ゴーヤの発芽にはある程度の暖かさが必要らしく、四月初旬に蒔いた年は月末まで芽が出なかった。四月下旬に種を蒔けば、十日ぐらいで芽が出るはずだ。
身近に安くりっぱな苗が売られているのに自分でゴーヤの種を蒔く理由は、ただただその成長を見たいがためである。種から芽が出て、花が咲いて、実になって、その実を食べたいがため。収穫したゴーヤが貧弱な実であったとしても嬉しさは格別だ。
人は何かを育てるときに喜びを感じる。子育てしかり、ペット育てしかり。子どももペットもいない場合は植物を育てよう。植物が芽を出し根を張り葉を伸ばし、忍耐の末に花を咲かせる。そして実を付け種を作る。それぞれが命をつなぐさまを見ていると、毎日の水やりさえも楽しい。私も生きていると実感できる。
(舞)

私が初めて乾燥ひよこ豆を見たのは、観光で訪れたトルコの市場だった。大きな布袋の口が開けられ、そこからキロ単位で量り売りされていた。
買って帰りたいと思ったけれど、現地ガイドに止められた。「日本での買い物とは違います。質を確かめないと。」それで諦めたけれど、よく考えれば植物検疫に引っかかるものだったかもしれない。食品としての豆でも生きている。害虫を持ち込むかもしれない。
そんな遠い記憶の中のひよこ豆をネットショップで見つけた。なるべく国産食材を買おうと思っているが、国産ひよこ豆は聞いたことがない。カナダ産ひよこ豆、ついでにカナダ産レッドキドニー、ブラジル産カリオカ豆も買って、海外土産の気分を味わうことにした。
さて、豆レシピである。世界に豆料理は数々あるけれど、私のなじみの調味料は砂糖と醤油。レッドキドニーもカリオカ豆も金時豆風甘煮となった。どちらもインゲン豆の仲間だからふっくら甘煮が美味しい。
ひよこ豆は洋風にと、オリーブオイルやにんにくを使って、トマト煮込みとスープとサラダになった。名前の通りひよこのくちばしのような突起がある豆で、ほくほくと美味しい。たんぱく質が豊富だし、大豆のような豆臭さがないところも気に入った。どこにも行けないから、料理で海外旅行だ。
(舞)

柚子をたくさんもらった。きれいな黄色が丸々と大きくて、みかんのようにそのまま食べられたら良いのに。
魚の塩焼きに絞ったり、白菜漬に散らしたり、紅白なますの酢に加えたりしたが、まだある。それで柚子味噌を作ることにした。
いつも使っているミックス味噌に柚子の皮のみじん切りとたっぷりの砂糖を加えゆっくり煮る。そこに柚子のしぼり汁を加えてひと煮たちで出来上がり。ジャムの要領で保存する。砂糖をたくさん入れるのがコツかと思う。
柚子味噌は野菜に合う。茹でた里芋や大根、コンニャクや豆腐にはもちろん、サラダのたれとしても使える。鶏肉や豚肉を柚子味噌にしばらく漬け込んでから焼くのも簡単で美味しい。
実をいうと、柚子の美味しさをわかるようになったのは近年のこと。以前は香りの強い食べ物を楽しめなかった。こんな風に使えるなら柚子の木を植えておいても良かったと思う。
数年前から、我が家の庭に柑橘系らしき木がある。植えた記憶はないので、鳥が運んだか、ゴミの袋からこぼれ落ちた種が発芽したと思われる。鋭いトゲや葉の形を見ると、柚子かもしれない。
この木が実をつけるのはいつになるだろう。桃栗三年柿八年柚子の大馬鹿十八年というそうだが、我が家の柚子で作った柚子味噌を食べられる日が来るだろうか。   (舞)

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