女の落書帖

朝夕は涼しい風も感じられるようになった。暑くて雨が多くて不安定な夏ももう終わる。暑い時期は麦茶やほうじ茶を冷まして飲んでいたけれど、そろそろ温かい緑茶にしようと思う。
台所に立つのは暑いけれど、お湯を沸かす。沸騰した湯をゆっくり冷まして急須に注ぐ。それをまたゆっくり待ってから温めた湯飲みに注ぐ。普段使いの茶葉でも、ゆっくりを重ねて入れると甘味うま味のあるお茶になる。
ところが夫は熱々のお茶が好き。火傷しそうなお茶をフーフーしながら飲むのが好き。そういえば、義母も熱いお茶が好きだった。子どもの頃の習慣は何十年経っても変わらない。育った家の好みが受け継がれていく。
別の家庭で育って、その後生活を共にするのが夫婦。それなりに仲が良いつもりでも、こういう好みの違いはどこまでも埋められない。どちらが正しいと決められない事柄だからこそ、どちらも譲ることができない。
それで、我が家では熱いお茶の時と、温いお茶の時がある。私は気分によって、お茶の入れ方を変える。時間があれば温いお茶を、忙しければ熱いお茶を。夫婦の暮らしはお互いの妥協の積み重ねなのである。
こんな二人の間で育った子どもたちはどうかというと、コーヒーメーカーとペットボトルで暮らしている。子どもの頃の習慣はどこへ行っただろう。     (舞)

あっと思った時にはハサミが突き刺さっていた。頑丈にテープが貼られた段ボール箱を開けようとした時のこと。二重に貼られたテープはハサミを当てても固くて、力いっぱい押したらするっと滑り、その先に左手の人差し指があった。
みるみる血が噴き出してぼたぼたと落ちた。痛さよりも驚きで、自分の指を眺めた。深く刺してしまった。こんなけがをしたのは久しぶりだ。傷口を水で洗ってティッシュで抑え、その上からゴム手袋をはめて縛り止血した。
ゴム手袋が透けて真っ赤になったティッシュが見える。でもしばらくしたら血は止まった。止血用のゴム紐を緩め、ティッシュを替えて手袋のまま半日を過ごした。左手でも指のけがは不自由だ。料理にも掃除にも左手を使っていたことが分かる。
ゴム手袋を絆創膏に替えて三日で外した。触っても出血する様子はない。傷痕はくっきりとあるものの、痛みはほぼ去った。
皮膚が伸びて傷口を塞ぐ。一週間経った今、化膿してないし、押さえても痛くない。何の薬も使わなかったのに、自然に治った。それが不思議でもあり、見事でもあると思う。
医療が今ほど整わない頃でも、人は病気もけがも乗り越えて命をつないできた。身体や心が傷ついた時、自身で治して行く力が人にはある。生き物の持つ治す力は素晴らしいと思う。    (舞)

こんにゃくが好きだ。お刺身風にして、ワサビ醤油が美味しい。唐辛子を効かせたピリ辛煮も美味しい。こんにゃくは低カロリー低糖質だから、どれだけ食べても太る心配がないのがうれしい。
そのこんにゃくは製品を買うのではなく、自分で作るように心掛けている。実をいうと、生芋から作ったこともある。でもそれは非常に手間がかかるので、こんにゃく粉から作ることにしている。
五十グラムのこんにゃく粉と一、八リットルの水と少しの凝固剤で大量のこんにゃくが出来上がる。こんにゃくのほとんどは水でできているのだ。低カロリーなのも納得だ。
作り方はとても簡単。お湯にこんにゃく粉と凝固剤を入れて混ぜ、成型して茹でる。ゴマや海藻を入れても上手に固まり普通のこんにゃくになる。
材料のこんにゃく粉はネットで買う。美杉産のこんにゃく粉を使ったこともあるが、ネット販売しているのは群馬県産が多い。凝固剤の水酸化カルシウムも付いているし、乾物だから賞味期限が長いのも便利だ。
こんにゃくは繊維質がお腹の掃除に役立つと昔から言われている。それだけではなく、カルシウムも含有している。今の私に必要なものだ。サプリも良いけれど、手作りこんにゃくは安くて健康に役立ちそう。なにより美味しいので、みんなにおすすめしている。     (舞)

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