女の落書帖

 友達が不用品をリサイクルショップへ売りに行くという。我が家にも捨てるに捨てられない不用品がある。フリマアプリは面倒でやりたくないので、買い取りに期待して友達についていくことにした。
 私が不用品を捨てられないのは、ものの命がまだ残っていると思うから。誰かが使ってくれれば捨てるよりずっと気が楽だ。
 友達によると、持ち込むものは季節先取りが良いとのこと。今なら秋冬ものだろう。それから、スポーツでもなんでもしっかりしたブランドのものが良いとのこと。
 昔やっていた趣味のものを探した。山用のシュラフや大きなザックはもう使わない。他にも少しかじったあれやこれや。
 押し入れにある贈答品も持っていこう。木箱入りの額皿、工芸品。タオルは使うかもしれないが、ハンカチセットはもう新たにおろさないだろう。ハンカチは引き出しに何十枚も入っている。
 トランク二つと風呂敷一杯分持っていったら、驚きの査定額だった。安くてびっくり。買ったときは何千円何万円したものも数十円。新品のハンカチ十円。芸術的な額皿数百円。それでも買い取りをお願いした。
 使うあてもなく、貰ってくれる人もないから不用品である。不用品が家からなくなるだけでありがたい。眠っているものをリサイクルの流れに乗せられた。それだけで満足しよう。 
        (舞)

 住宅のCMは見ていて楽しい。こんな家、あんな家、こういう暮らし方、こんな庭。何年か前、ある住宅メーカーが庭に五本の樹を植えようと言っていた。庭に虫や鳥が来る家。それも良かった。
 でも、この頃の新築の家を見ていると、敷地のほとんどが舗装されている。夫婦と客とで駐車場が三台分必要だから無理もないが、それでも緑を植えたらいいのにと思ってしまう。
 とはいうものの、狭い庭しかない我が家であっても除草に追われている。雑草のない楽そうな庭だとうらやましくもある。夏が暑くなって、花の水やりが欠かせない。草はどんどん増える。木はどんどん伸びる。庭をコントロールするには労力が必要だ。
 友人は生け垣を切ってしまった。フェンスだけの方が手間がかからないと。花が咲いていた庭をコンクリートで固めた友人もいる。年をとると庭の管理が負担になるのだ。
 家を建てるなら、東南の角地がベストポジションとされたものだが、今ではそうでもなくなってきていると聞いた。日当たりが良すぎて草木が伸びる。コンクリートの照り返しもひどい。断熱対策が必要になる。
 何事にも一長一短があるものだ。大嫌いな草取りだが、緑と土があるからこその仕事だと前向きにとらえよう。トカゲもチョウもミミズも命。多様な命と暮らすのも悪くはないと思う。 (舞)

 コンビニのトイレを借りることはあまりない。でも、先日ドライブの途中にコンビニトイレに立ち寄って変わった体験をした。トイレが男女共用だったのだ。
 ドアを開けてびっくりした。トイレの床にポツポツとしずくがある。これは男性の尿に違いない。気持ち悪くて便座に近づけない。座れない。
 昔聞いた話によると、男性トイレの小便器の前には「一歩前に」という張り紙があったそうだ。「一歩前に」は人生の教訓ではなく、物理的な話。漏らすな垂らすな汚すなということだ。
 床のポツポツを目にして私は迷った。このトイレの使用を止めようか。掃除をしようか。ドアの前には次の人が立っている。きれいするべきだが誰かに掃除をしてもらおうとは思わなかった。私ができることを、コンビニのアルバイトさんに頼むのは気が引ける。
 トイレットペーパーをグルグル丸めてポツポツを拭きとり、消毒薬を吹きかけて再度拭いた。便座も拭いた。とりあえずきれいになった。
 これからは多様性に配慮するジェンダーレストイレが増えていきそうだが、ポツポツは困る。皆が使うトイレを汚したなら、自分で掃除をしてほしい。汚す前に、男性も便座に座ればいいのだ。
 トイレの張り紙は「一歩前に」ではなくて「立ちション禁止。座りましょう」としてはどうだろう。(舞)

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